心配される男 | フシギ不動産日記

心配される男

それは季節の変わり目のこと。

普段どおりに午前中は今までの来店者に対して改めて部屋を探しているとき

だった。

男性二人と女性一人がドアを開けて入ってきた。

「いらっしゃいませ」と声を掛ける前に、

○○(すぐ近くの大きな工場)の△△と申しますが、Aさん(入居者)の部

屋のカギを貸していただきたいのですが・・・


Aさんなら、私が斡旋担当しました。

来店カードを閉じながら、そう答えた。

しかし、お貸しすることはできません。私が立ち会うことになりますが、

その前にAさんがどうかされたんですか?


ここ4、5日出社していないんです。

どうやら、ここに来た3人はAさんと同じ会社の方で総務の方と上司と同僚

だったらしい。

私の車に3人を乗せて、Aさんが入居しているアパートへ向かった。

その物件は、そこそこきれいな鉄筋コンクリート造の2階建てで、Aさんは

2階に住んでいた。

そして、部屋の前に到着するとすぐに連れてきた男性がインターホンを押し

始めた。

Aくん、Aくん・・・Aくん、Aくん

・・・反応がない、

Aさんからの反応がないので、カギで開けますね。

はい、お願します。

カチャッ

カギを開けて、ドアを開けようとすると・・・

ガチャ~~ン!!

チェーンがかかっていた。その状態で、再度男性は

Aくん!!Aくん!!、いるの?Aくん、Aくん

(ドアを無理やり開けようとして)「ガチャ~ン、ガチャ~ン

2分ほどそんなことをやっていただろうか、もしかしたら最悪なことが

起きているのか・・・というのも脳裏をかすめた。

すると、頭を抱えながらAさんがパジャマ姿でやってきて

あぁ・・・○○さん

Aくん、どうしてたの?

あぁ・・・風邪で5日ほど寝込んでました。スミマセン。

もぉ~ 会社に連絡してよ。無断欠勤になるでしょう。

ったくもぉ~ 無断欠勤なんてしないでちょうだい、余計な気をつかったじ

ゃないの、生きていたから笑い話になるんだよ


・・・なんてことを思いながら、連れてきた男性がAさんに説教している様子

を眺めていた。

■ 社員が行方不明、解雇の方法はどうするのか
  http://www.chosakai.co.jp/utility/q&a/r_qa/QAS-422P.htm
■ 無断欠勤の始末書
  http://www.edinet.ne.jp/~gakuchi/bunrei/shimatu/s-mudan2.shtml