出たがりの家主 | フシギ不動産日記

出たがりの家主

繁忙期で支店の斡旋エリアではなく、本社エリアの物件を斡旋することに

なったときのこと。

モノレール沿いにある大学に入学する女の子の部屋を探しに来られた親子

の斡旋担当になった。ちょうど当月完成したばかりの新築の物件を斡旋す

るよう管理係から依頼があったので、さっそくその親子を連れて案内に出た。

なぜか、私たちが来るのを分かっていたかのように家主さん(女性)が待っ

ていた。

そして、案内をし始めたのである。

「各部屋明るくなるように設計してもらったの。ほら明るいでしょう。」

「収納もちゃんとあるでしょう。ほら広~。い」

斡旋担当からしたら、説明がさせてもらえない。この物件のいいところ、

悪いところがお客様に教えることが出来ないという辛い状況。

まぁ、そのあたりなら百歩譲って許せるけれども、そんな話が延々と続き

挙句の果てには、


このビルは1億円かけて建てたのよ。すごいでしょ。



連れてきた親子は完全にひいていた。それは当然だろう。



だって、私もひいていたから・・・。



当然のことながら、その物件は決まらなかった。



家主さん、あんた出すぎ!