フシギ不動産日記 -2ページ目

家主様付女性専用物件の秘密

冬には春に向けての新築物件が多く建てられる。

そんな新築物件の中には女性専用物件というのがたまにある。

ちなみに女性専用物件とは文字通り入居者は女性だけという物件である。

新しく管理仕入れ(※1)した物件に女性専用物件があったのだが、かなり特殊な物件であった。

 

まだ入居者を募集していないときに物件を見せてもらったときのことである。

 

まず1階部分にある駐車場の脇から物件へ。2階、3階が賃貸対象の部屋を目指そうとしていたところ・・・。

 

 

 

 

 

すぐさまスリッパが用意してあった。

 

 

 

 

そう、自分の部屋に靴箱が用意されていなかった。しかもそのスリッパを置いてあるのが、1階に住んでいる家主様の台所から見える位置というのが監視されてる感じがして結構微妙だった。

 

さらに階段を上がって部屋に入るときれいな1R(洋8帖)があった。

もちろん、エアコン付だしきれいなキッチンだし見た目は問題なしだった。

 説明してくれる家主様も自慢の部屋だから明るく説明してくれた。

 

 

・・・が、しかし私は3つの問題点を見つけていた。

1つ目は、

 

 

 

 

その時代のユニットバスにしてはかなり狭かった。

 

 

 

 

すこし前のバブル時代でもまだ広かった。しかも女性専用ならば広くないと・・・。

 

2つ目は、1Rだから特別脱衣所が無いもののキッチンのすぐ横にバスがあるのだが、

 

 

 

 

 

あまりにも近すぎて着替えすら置くスペースすらない。

 

 

 

 

 

 

せめてものを置く棚用場所があれば使い勝手がよくなるだろうに・・・。

3つ目は、そのバスの入り口のすぐ横にコンセントがある。

 

 

 

 

 

しかもめちゃくちゃ近い位置にある。

 

 

 

 

下手すると感電しそう。

 

気にしないならばそれでいいのだろうが、女性向けに作ったのならばその辺までしたほうがいいだろうけど・・・今入居者居るのだろうか・・・。

 

ちなみに1階部分の駐車場は賃借人が軽自動車だったら駐車できるという狭い駐車場である。

 

 

あの物件は住み辛いだろうなぁ。

 

 

※1 管理仕入れ:管理物件にするために家主様と交渉して管理物件

            として仕入れること。

空き部屋の情報を知らせない家主様

管理物件として管理会社と家主様と契約している物件は、当然のことな

 

がら現在その物件の何部屋が空き部屋で、どの部屋が退去予定かどう

 

かという情報が入ってくる。当然のことながら、その情報は管理会社で

 

データベース化され、その情報は各斡旋係の物件台帳に反映される。

 

・・・・・

 

秋から冬にかけての時期だったと思う。しばらく斡旋していない1Rの物件

 

をお客様へ紹介することになった。退去予定日が前月末になっていたし、

 

退去予定日から1週間以上経っていたので、支店にある鍵を取ってすぐに

 

出発した。

 

物件へは支店から10分もかからないくらいで到着。部屋は3階の階段を上

 

がったすぐの部屋だった。

 

「こちらの部屋になります」

 

鍵を差込み、ドアを開けてみたところ・・・。

 

 

 

「あれ・・・」

 

 

 

「あれれ・・・」

 

 

どう見ても生活感のある風景。灯油のポリタンクが置いてあったり、

 

玄関マットが敷いてあったりと入居中だった。

 

「もしかしたら・・・。この部屋についてはちょっと待っていただけますか?

確認してから連絡差し上げます。」

 

お客様に苦しい説明をしてどうにかその場をしのいだ(?)

 

そして、支店に戻ってすぐに管理係へ電話した。

 

・・・・

 

それから30分ほど経ったときに管理係から

 

 

 

「○イブルが直接家主さんに連絡して部屋を決めていたらしい。」

 

 

 

そもそも管理物件に対して直接家主様へ連絡する○イブルも○イブル

 

で許されない行為だが、それを管理会社へ連絡しない家主様も困った

 

チャンだ。

 

そんなことされると管理物件の物件台帳の意味がなくなるので、

 

家主様は管理会社以外のところから話が来たときは管理会社を通す

 

ようにしてください。

空き物件を活用する男

賃貸斡旋も慣れてきた夏くらいのことだった。

離婚されたばかりの子連れの女性が来店された。
条件は支店の近くの2DKがよいとのこと。

しかしながら、2DKというのは結構難しく、扱っている物件自体がそうないのである。当時は賃貸での2LDKが珍しいくらいか出始めたくらいかと思う。

さて、来店されたとき物件が無かったので調べて連絡するということで、一旦時間をいただくことにした。
それから一般物件を調べていると一つの物件が見つかった。

今でもその物件の名称は覚えている。「青葉マンション」だ。

マンションといっても昔ながらの社宅のようなマンションで当時で築15年くらいだったと思う。とりあえず家主様へ連絡して、物確(※1)に向かった。

1階にある家主様がいる会社から鍵を借りて、3階の空いている部屋へ向かった。そして、鍵を差して・・・





・・・あれ?








あれあれ?









鍵がかかっているはずなのに、鍵穴が回らない。ラクス・クラインも驚くほどのあれあれの状態だった。

わざわざ家主様が『鍵閉めておいたから』と言って俺に鍵を渡してくれたのになぜ?

そんな思いをしながら、ドアノブへ手をやり、そしてとりあえず

 

ドアを開けてみようとしたその瞬間である。

ドアが勝手に開いたと思うと、一人の男が出てきたのである。




・・・?



思わずお互い顔を見合わせたまま5秒くらい硬直していた。
そして、男はこう言って走って逃げた。





スミマセン借りました。





なんだ、なんだ。スミマセンって。空き部屋に入っても貸すものは無いのに・・・。

不思議に思いながら部屋の中に入ると・・・それが何を指しているのかが嫌でも分かった。
鼻にくるこの悪臭・・・そう、その男はこの空き部屋で


う○こをしていたのである。


・・・ってことはわざわざ空いている部屋を探して、そしてトイレに入ったのだろう。
後にも先にも空き物件でこんなことされていたのはコレだけだった。


※1 物確:物件確認の略。初めて斡旋する物件など予め説明

         できるよう下見や物件の状態を確認することを言う。

反応が乏しい男

秋のある日に彼は来店した。

そして、私はいつもと同じように来店カードを渡して彼へ物件の紹介を

始めた。

そんな彼は年齢は20歳で180cmはあるくらい大柄で、しかも今で

言ういわゆるイケメンだった。

私が説明する度に、彼は小さな声で

・・・ハイ。

と答えていた。

彼の条件は「1K~1DK」、「~40,000円」、「駐車場無し」。

しかも構造は「木造」でもよいという珍しい条件。

価格帯で考えると支店のエリアでは予算的に厳しいものではあったが、

42,000円のレ○パレスが空いていたので、さっそく案内するこ

とになった。

バス停までは徒歩5分ほどで、スーパー近くという環境的にはすばらし

い物件だった。

年齢も1つしか違わないということもあり、私自身弟のように接し、

案内していた。

どうしますか?

・・・・

最後に確認を取ったときにも反応が乏しかったので、

じゃぁ、2、3日考えて返事をください。

・・・ハイ。

それから2、3日経ったある日のこと。私が外出しているときに

彼がやってきたらしい。

支店の同期の事務の娘が対応したらしいが、支店に入る前に店の

前を結構ウロウロしていたらしい。

ちなみに店の道路に面したところは全てガラス張りになっているし、

光の関係上、外から中が見えず辛いが、店内からはそういう姿はよ

く見えるわけである。

そして、ようやく来店した彼は物件を決めるという返事をして、明日

また来店すると言って帰ったらしい。

翌日、彼は来店して入居申込書に記入していただくことに・・・。

しかし彼は重要事項説明をしても、今後の流れを話しても、

・・・ハイ。

よくよく彼の職業を見ると・・・




「・・・海上自衛隊」



思わず、彼に

自衛隊だったら、もっとハキハキしなきゃダメでしょう。

と声をかけてしまった。

・・・ハイ。

結局、私は彼との話の中で彼の言葉のほとんどは





・・・ハイ。




だけだったように思える。

入居も済んだ後にたまたま仲が良い夫婦でされている不動産屋へ

寄ったときにその話をしたところ・・・。


「あぁ~ あの子、うちにも来たよ。『あの子物件決めない』って、ここら辺じゃ有名よ。よく決まったね。」

・・・ホント、よく決まったなぁ。しかも、浄水器までつけても

らったし(笑)

被害状況を教えたがる女

春の鍵渡しの時期が過ぎて、ようやく落ち着き始めた5月くらいの

ことである。

女性2人が来店した。どうみても母親とその娘だった。

いらっしゃいませ。

私がカウンターへ近づくや否や母親が・・・




ちょっと見てくださいよ!!




そうすると、嫌がる娘の片腕をまくって





この娘、痴漢に遭ったんですよ!!




すると、娘がはずかしそうに

いいって、いいって・・・





ほら、ほら、この傷・・・無理やり抱きつかれたんですよ!!ほらっ見てください!!




見るとその娘さんの腕にはひっかき傷が数箇所あった。





もう自宅から通わせようと思います!!




ようやく母親のしようとしていたことがわかった。退去手続だ。

では、退去の手続をしますので、お名前と物件名と部屋番号を教えていただけますか。

□□町の○○○○○の***号室の△△△です。

思わずその物件を聞いて出した一言がまた母親の怒りを増幅させて

しまった。

□□町の○○○○○はすぐ近くに交番がありますよね。





そうですよ。なのにアパートのすぐそばで・・・。待ち伏せされていたんですよ。そして、うしろから抱きつかれて・・・。





もういいって・・・


母親がヒートアップするのをなだめるかのように腕をひっぱっていた。

改めて娘さんをみるときっと誰もが可愛らしいと思うほどの女性だった。

結構面食いのの私がそう思ったから間違いない。

退去受付をしたあとも「警察がどうの」「セキュリティーがどうの」

と母親は言ってきたが、管理会社としては物件の敷地内までしか対応

ができないだけにどうしようもなかった。

それから2時間後一本の電話がかかってきた。

さきほどの娘さんからだった。


スミマセン。ご迷惑をおかけしました。

しかし、そのとき私はすぐに気が付くことができず、

は、はい。

今考えてみると別の言い回しができたのにと思えて仕方ない。

2週間後にはその物件の退去確認が行なわれ、管理係から聞いたけ

れども、誰も住んでいなかったかのように部屋がキレイだったらし

い・・・。補修費分担金(※1)のために1ヶ月分しか敷金が戻ら

ないのはかわいそうな気もした。

あんなに出来た娘だっただけに母親は怒りが納まらなかったのだろう。

※1 補修費分担金:敷金の内、故意過失による損傷以外の補修費を
   予め敷金の内の数か月分というのを決めておく方法。
   4ヶ月分の敷金の場合、通常3ヶ月分が補修費分担金になる。


■性犯罪から身を守る
 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no1/koramu/koramu2.htm

■e-防犯
 http://www.e-bohan.com/chikan2/

ダブルブッキングさせる男

会社の物件台帳(※1)には支店エリアと支店エリア外の「管理物件用」

と「一般物件用」とがある。

私たち賃貸斡旋係は時間があるときには、他社の空き物件やどこにも管理

を任せていない物件を探して、一般物件台帳の内容を更新しているのであ

る。


さて、1月下旬の繁忙期のピーク直前のこと。女子大の新入生が部屋を探

しに親子で来店された。

私はその女子大近くの管理物件は無かったので、前述した一般物件台帳か

ら家主様の敷地内にある女性専用の物件を見つけた。物件台帳には家主様

の連絡先も書いてあったので、家主様へ電話をして鍵を借りた上で部屋を

案内(そのとき2部屋空いていることを確認)。そして、申込みをいただ

いたので家主様にも報告して、契約書を作成し、入居に必要な費用も入金

があり、もう入居を待つだけだった。



・・・ところがである



ある日突然家主様から電話がかかってきたのである。

スミマセン。あの部屋お貸しすることができません。

えっ?どうしてですか?

○○地所さんがもう決められていたみたいです。

あの物件は○○地所さんが管理されているんですか?

そうなんですよ。

でも、2部屋空いていたんですよね。

2つとも○○地所さんに決めてもらいました。

その話をすぐ支店長に報告したところ、隣の席の同期(・・・と言って

も2つ年上)の彼がこう言った。

どうして、始めっから○○地所さんに連絡せんかった?

どうしてって・・・

話は少し戻るが、一般物件の台帳の下にある家主様の欄には他社の管

理物件の場合、当然のことながら同業者の連絡先が掲載されることに

なる。

ところが、今回の物件はその欄に家主様の連絡先が記載されていた。

しかも、それを記載していたのは紛れも無く同期の彼だった。

私は心の中で思った。



あんたがあの一般物件の担当だろう、

他社の管理物件だったら、

それもちゃんと記載してろ!!



彼は大卒、私は専門卒で入社した同期の仲間のはずだったが、私が年下

で立場的に弱いと思ってか、ことあることに私のせいにばかりしていた

ので以前から不信感を持っていた。そんな中、今回のことがあったのだ。

今回は私自身だけではなく、お客様に迷惑がかかるのでもともと仲が良

かった○○地所さんに事情を説明したところ、とんでも無い答えが返っ

てきた。


2部屋のうち、1部屋は○○くん(同期の彼)が決めてくれたよ。


!!

やられた!!奴にはめられた!!


○○地所さんの管理物件で同じ家賃の部屋を紹介してもらい、お客様に

も散々謝罪して上で納得した形でその部屋に入居していただいた。

それ以来、彼と私の確執は激しくなっていた。

それからしばらくして、私は本来志望していたのシステムの部門へ異動。

彼はそのままその支店で斡旋を続けていたが、何の因果か会社を辞める

月が同じだった。



「そんなところまで、

 ダブルブッキングしなくても

     いいんだよ!!」



あぁ~今でもムカつく!!


※1 物件台帳:物件の情報が掲載されている台帳のこと。慣れてくると
頭の中に物件台帳がインプットされる。私はワンルームだけは入っていた。

気を遣えない男

ある土曜日のこと、本来ならば休みであったが、急遽出勤することになった
山内興産
日の話である。

少し前に契約した曲がった友情を持つ男たちの駐車場がなかったので、

徒歩1分ほどにある某分譲マンションの空いている駐車場を紹介していた。

その契約書に記入・捺印したものを預かったものと駐車場の契約に必要な

金銭を持って今度は管理会社へ持って行こうと電話をして30分後に伺う

アポまで取っていた。

休日出勤ということもあり、いつもの会社のロゴが入っているクルマ

(・・・と言っても個人の所有)ではなく、プライベート用のクルマで

その会社へ行った。

予定通り30分後にその会社の前に到着。そのビルの入り口付近に

御用がある方以外は駐車しないでください

と書いてあったので、

御用があるからきましたよ

と思いながら駐車して、その会社がある階へ向かった。

担当の方宛に伺うと事務所の中に通され、担当の方のする横にある

ちょっとした応接用のソファーがあったので、そこに座って待っていた。

彼は何か書いていた。


・・・5分過ぎ。




・・・10分過ぎ。




・・・20分過ぎ。





もう我慢できんと思い、

あの~まだかかりそうですか?

あぁ分かりました。


なんじゃ、分かりましたって。こっちはずっと待っていたのに・・・。


契約書とお金をお持ちしました。

と、彼に手渡すといまさら領収書を書き始めた。

アポ取った時点で用意すべきだろ!!

心の中で思いきり叫んだ。

しかも領収書一つ用意するのにまた5分くらいかかった。

結局、10分ほどで終わりそうなことを40分ほどかけられてしまった。

そして、帰ろうとビルの玄関前に行くと・・・。

おまわりさんがいた。

これ、あなたのクルマですか?

そ、そうです。

駐車違反だから・・・。

・・・ハイ。


せっかく、お気に入りのプライベートのクルマでルンルン気分でやってき

たというのに・・・

・・・全てはあの男のせいだ

こんなこともあったな(vol.2)

1月、2月になると繁忙期となり、物件が足りなくなってくる。

ましてや、私が居た支店のエリアだけで短大・大学が5校あった

 

ので良い物件・・・というか、まともな物件は早々に決まってしまう

 

わけだ。

本来ならば、退去予告は一ヶ月以上なので、ほとんどの方が退去

 

される約一ヶ月前に連絡をされる。つまり、大学卒業に合わせて退

 

去されるということは2月くらいにしか退去予告の連絡が入らないの

 

である。

そこで11月くらいにワンルーム、1Kあたりの管理物件の退去予定

 

を探る。

管理物件だから契約書、申込書などがあるので、生年月日を確認し

 

て留年など無ければ通常4年で卒業というのが判断できる。

私は夜7時くらいに契約書または申込書を見ながら電話をかける。

今住んでいる方の電話番号は知るはずも無いので、それぞれの実

 

家に電話するのだ。


夜分恐れ入ります。○○センターのものですが・・・。△△くんの住

んでいるお部屋を管理している会社です。


今考えてみると、実に怪しい言い回しである。ただ、変なものを売るわ

 

けではないので、戸惑いながらも対応はしていただけた。


ただいま、3月の退去予定を確認させていただいてますが、△△くん

の退去の予定はございますか?

大学院や就職で残らない限り、だいたいのところは、


ちょうどよかったです。卒業しますので退去の手続きをお願します。

のような返事をいただく。しかし・・・。


留年しましたので、あと1年お世話にならせてください。


と、思わず


いえいえ、スミマセン。そんなことを知らずに退去を催促しているよう

で申し訳ありません。


と、答える場面や


うち子は、遊んでばかりでどうしようもないんですよね。どうにかなら

ないものですかね。


なんて、相談を受けることも・・・。当時21歳だったので、相談受けても

私より年上でまだ学生の方のなので・・・という感じではあった。

1人暮らしの学生さんたちへ。



親御さんたちのためにも、

  留年とか遊んでばかりの

    生活はやめましょう!


自業自得な男

私は専門学校卒業後、就職を機に県外へ就職した。そんな場所に以外にも

高校時代の同級生がいたことを知り、幾度か一緒に遊んだりしていた。

そんな彼が今回の話の男である。

1月のある日一本の電話がかかってきた。聞いてみると大学卒業を控えた

彼が就職先に近い部屋を探しているという。

高校時代からの友だちだからいろいろと資料を集め、条件の合う3つの物

件を案内することを決めた。

そのときはすでに私は斡旋係から別の部署に移っていたが、特別に斡旋を

させてもらったし、友だちだからこそ案内できる通常ならまだ募集をかけ

ていないような新築物件なんかも案内していた。

その新築物件はロフト2畳が付いていた。そのとき、私はこう言ったのを

憶えている。

同じようにロフトがある物件にレオ○レスがあるけど、そっちは辞めて

おいたほうがいいよ。物件の構造が木造だから基本的に音が筒抜けだから。

トイレの水を流す音とか丸聞こえだし、1階だとロフトがある分2階の音

とか良く聞こえるからね。ときどきクレームが入ってるくらい。


今は変わっていると思うが、当時のレオ○レスの物件のほとんどは木造で

一階はフローリングで、二階はフローリングだと音が響くのでじゅうたんに

なっている物件が多かった。どんなに今回のような説明をしても、見た目き

れいだから、決めてしまうケースは多い。

さて、話を戻すと彼は結局その日には決めずに改めて私に連絡すると言って

帰った。1週間ほどは気にかけていたが、連絡が無かったので私はもう忘れ

てしまっていた。それから半年くらいして、私はその会社を退職し、別の

県の不動産会社に呼ばれて、その会社の契約社員として働いていた。

そんなある日、知らない電話番号から電話がかかってきた。電話を取って見

ると私に連絡しなかった彼からの電話だった。

どうした。突然電話なんか。なんかあった?




・・・強制退去って言われた(涙)




はぁ?どうして?



部屋引越しったったい。」(※私も彼も熊本の人間なので)


じゃぁ、あのときの物件に決めた?

いや、あのあとレオ○レスセンターってとこに行って、○○○のレオ○レス

に決めた。


そこって、前の会社の管理物件じゃん。あそこ(具体的な場所)にあ

る物件でしょ。


そうだったと。

ちょっと経緯を教えて。





・・・





この間飲み会があって、その帰りにみんなでうちに来たんよ。そんときに騒

ぎよったし、酔った女の子とロフトで(自粛)





だからレオ○レスは辞めたほうがいいなんで、物件決めるときに相談しな

かったの?






ごめ~~~~~ん(泣)もう二度とそんなことせんけん。管理係の人に話を

つけて~~~~。




私は心の中でこう思った。





天罰じゃ



結局、前の会社の管理の担当の人と仲が良かったので、「釘刺す意味で警告

した」ということを確認。どうやら、両隣&上の入居者から騒音のクレーム

があったようだ。


その後、すぐ彼を安心させるために電話を入れた。





・・・それ以来彼から電話などかかったことはなかった。

キレル男

すでに不動産会社を退職してから1年ほど経った頃の話である。

私はその年の3月に新築の物件に入居して快適に過ごしていた。

また、私も含め新婚の入居者が多かったため、ときどき会う隣人も感じ

の良い方が多かった。

当時301号室に住んでいたが、303号室にその問題の男は住んでいた。

ちなみに、303号室は彼と彼の奥さんと赤ちゃんの3人家族だった。

3階の住民の駐車場は一番奥にあるのだが、たまたま私の車の後ろについ

た彼は物件の敷地内に入ったにも関わらず、私の車をあおってブンブンエ

ンジンを吹かしていたので、それ以来「彼は危ない奴だ」と思っていた。

問題が起きたのはそれから半年も経っていなかったと思う。

平日の夜、すでにどの部屋も就寝している時間帯だった。

301号室はエレベータの隣の部屋だったので、エレベータが夜中に動い

て3階に到着するとなんとなく気配を感じることのだが、彼はその夜中に

帰ってきた。

おそらく鍵は持っていたのであろう。オートロックのドアを通ってエレベ

ータに乗ったから、そこまでは想像できる。

しかし、その後である。

ピンポーン

帰ってきたことを知らせるチャイムを鳴らしたのであろう。

ピンポーン

ピンポーン

ピンポーン





・・・返事がない。周りがあまりにも静かだからチャイムの音が確実に聞

き取れていた。





ピンポ、ピンポ、ピンポ、ピンポ、ピンポ・・・





怒ってるよ。奥さん起きてこないのかよ。






・・・?あれ、鍵持っているはずなのにどうしてそんなことするの?

そんなことを思っていると

ガチャガチャガチャ・・・バーン、バーン

そうか、中からチェーンが掛けられてるんだ。

するとさらに

ガチャガチャガチャ・・・バーン、バーン

ドーン、ドーン、ドーン

ギャシャーン





!!

割れた、割れた

301号室と303号室は全く同じ間取りなので分かるのだが、玄関の

隣に寝室の窓がある。その窓を割った音だったのだ。

ちょっと怖くなって最悪なことが起きないことを祈りながら気が付くと

眠っていた。

翌朝廊下から見てみると、案の定窓が割れており、ガラスの破片が散ら

ばっていた。

それから1週間経つか経たないくらいにその部屋は退去。

おそらく周りの入居者からのクレームなど含めての強制退去だったと

思う。

私自身不動産会社に居るときからすると数百人の入居者・お客様と会って

来たが、今回のようなことを見たのは初めてだった。


■ 悪徳大家さんがいれば、悪徳入居者もいる。
  http://www.manshitsukeiei.com/subject4.html